ツヨライブ

Web業界で働く大村剛士(オオムラツヨシ)のWebマーケティングブログ。新しいユーザー体験を考えたり、紹介したり。

新聞業界について感じたこと 

Google, Web, Webビジネス, マーケティング, 日記, 時事 1月 4th, 2010

世界の新聞は華やかだそうですねー。うちは年末をもって読売新聞を解約してしまいましたが。

元旦に新聞紙のトップページを眺めてみた。便利なことに今やインターネットで,世界中の新聞紙の第1面が無料で閲覧できる。元旦の新聞はやはり華やかである。

引用元: メディア・パブ: 元旦の新聞紙のトップページは華やかだが・・・.

新聞ってほんとにこの先ヤバイんじゃないかと思ってるんですが、去年もマードックさんが「ネット版は有料化するだろう」発言でGoogleといろいろケンカぽいことを始めたりしてて、本気でいろいろ焦ってるんだと思う。

「1~2年以内にどのメディアも有料化に踏み切るだろう。新聞ばかりか、インターネットや携帯電話、読み取り専用携帯端末など配信手段は多様化しているが、今後もニュースに対する需要の強さは変わらないだろう。高いブランド力と正確さや公正さに対する信頼感があれば、読者を獲得できる」
http://www.yomiuri.co.jp/net/interview/20091001-OYT8T00489.htm

で、それを裏付けるように、新聞業界の社員数ってこんなふうに激減しているっていう話もあって、いよいよ本格的な淘汰が始まるんだろうと。

自宅には毎週のように新聞の営業がくるわけでだが、一度ドアを開けたら最後、山積みの洗剤を抱えてイキオイよく渡され、「ごあいさつですから」「みなさんにお配りしてますから」と気前よく始まるのだが、15秒ほど話を聞いていると「それを差し上げますので1カ月でよいから契約してください」というお願いに(確実に)すり替わっている。この間はもうちょっと性質が悪く、「いつでもよいのでとりあえずご登録だけ・・・」と言われたのだが、これもつまり「来月じゃなくてもよいので(再来月あたりで)契約をください」というハナシ。

もう少しひどい話をすると(もう契約が終了したので話しますが)、ちょっと前に契約していた新聞は、若い兄ちゃんが営業に来たのだが、さんざんゴネられて、もう諦めたかと思ったら「タダでいいです」という契約内容で3カ月間とっていた。彼が話す契約内容はこうだった。

「4,000円/月×3カ月という費用(12,000円)を自腹で今渡すので、毎月集金にくるおばちゃんにはそこから4,000円ずつ支払ってほしい」

彼は12,000円を自腹で払うわけだが、契約1本とるとそれ以上の報酬が入るらしい。これは想像だが、契約1本につき12,000円以上の報酬が基本給とは別に入れば、そこから(営業費用として)捻出することで(雇用主と労働者間の)ビジネスは成立する。仮に完全報酬型の給料体系だったとしても、学生のような兄ちゃんなので、バイト感覚でさくっと数千円を稼げるわけだから、そんなにしんどい仕事でもない(先に挙げた正攻法(?)でも数%は契約取れると思うので)

問題なのは、そこまでしなければいけない状況だ。「無料なら契約するよ」という自分のような層がどんどん増えていって、通常の料金では誰も取らなくなってきているこの状況。発泡酒だビールだ、洗剤だ米だ、野球のチケットだ映画のチケットだ、「オマケ合戦」も、もう限界まで過熱しており、消費者はそれを承知の上で、さらに「ビール1ケース追加してくれるなら・・」とハードルを上げているこの状況。実際、安く仕入れているのだろうが、市場価格で換算すれば、ビール3ケースでほぼ3カ月分の新聞購読料に相当するはずで、さらに米、洗剤、チケットなどが上乗せされるので、ほとんど収益はでていないはずだ。

「[[押し紙]]」というコトバを知っている人も増えているみたいだが、これは新聞社が販売店に「強制的に」買い取らせる過剰な新聞のこと。実態はこれが大量に販売店に眠っているらしく、ビジネスホテルなどでやっている「朝刊無料サービス」なんかは、そういう「押し紙」の新しい処分方法だという説もあり。

「うちはチラシがほしいので取ってるのよ」という家庭も多いはず。我が家もその一味で、チラシは確かに重要だ。しかしそういう家庭も確実に増えつつあって、最近ではタウンマーケットなるビジネスモデルも始まっている(当然利用中)。

http://townmarket.jp/MP/touroku/

2010年1月現在ではまだ関東の一部しか提供されていないが、無料で毎週金曜日にチラシだけが郵送されるサービスだ。当然新聞に入っている膨大なチラシに比べれば量は減るし内容も異なるが、それなりに地元のお店のチラシは入っているので無料の情報としては悪くない。

「うちはテレビ欄のチェックは欠かせないの」という家庭も多いはず。我が家もその一味だが、こちらは地デジ対応テレビがすでにその機能をカバーしてくれている。番組表ボタンを押せば、一週間先まで見ることができるし、キーワードで検索もできるし、定期録画予約もできる。「Gコード」なんかを入力して設定していた頃が懐かしい。

「インターネットのニュース記事は、偏りがあるからどうもね。結局興味のある記事しか読まなくなるし」というのは同じ会社のある役職者のコメント。たしかにそれも一理あって、一番想像しやすいのはYahoo!トピックスなんかだと思うが、13字程度のタイトル記事から気になるものだけ読んでいる、という使い方をしている人は、実際そうなんだと思う。

しかし今はRSSリーダーというものがある。日経新聞、毎日新聞、朝日新聞など主要紙を始め、スポーツ紙、芸能紙、特定ジャンルのニュース、コラムニスト、エッセイスト、個人、つぶやき、動画、画像・・・それぞれの各国分がRSSとして受信できるので、RSSリーダーを使って自分専用の新聞を作ることができるわけだ。あとはそれに毎日目を通す習慣をつける、もしくは携帯、iPhone、その他これから出てくるであろう軽めの端末で、カンタンに受信できるような仕組みが実現できれば、新聞と変わらないクオリティを維持できるばかりか、更新頻度の高い情報源を持つことができる。あと、あまり言及するつもりはないけれども紙の新聞紙だったら偏りなく読んでる?というのも疑わしいハナシ。ほんとにまんべんなく読んでますかね・・・?

コスト面からも一応考えてみよう。
読売新聞の場合、朝刊だけ購読すると月3,750円。年間で45,000円。単純に倍にしていくだけだが、

10年で450,000円

20年で900,000円

30年で1,350,000円

40年で1,800,000円

新聞だけで新車が一台買えそうなコスト感。インターネットの利用料は月々4000円前後だと思うので、そのリソースを有効活用すれば、上の費用はそのまま浮くわけだし、仮にマードックさんの主張するように有料になったとしても、紙媒体よりは安くなることは確実といえそうだ。

トレンドでいえば、今年はおそらくアップルがタブレットPCを出してくるはず。先を行くAmazonは、Kindleですでに電子書籍市場を創り出している。国内はそのへんを得意としているSONYやSHARPあたりが間違いなく対抗端末を出してくるだろうし、いよいよこちらの市場は本格的に立ち上がってくるだろう。電子書籍はこれまでいまいち盛り上がりに欠けたが、今ノリノリで市場を牽引している書籍の巨人Amazonと、情報端末+音楽の巨人Appleと、情報整理の巨人Googleがこの分野で本気になると、さすがにレボリューションが起きそうな気がする。

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その時、まだ新聞社は山積みの洗剤を抱えて我が家のドアをノックしてくるだろうか。

そのときは、新聞を読まなければならないのはどっちだ?という議論になりそうだ。


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